校長あいさつ
能代市立能代第一中学校長 嶋田 正明
能代市は、秋田県北西部に位置し、広さは東西約30㎞南北約35㎞、その中央を東西に県内一長い米代川が滔々と流れ、日本海に注いでいます。その下流部には能代平野が広がり、豊かな穀倉地帯となっています。先人たちのたゆまぬ努力により数多の歴史や伝統、文化が育まれ、郷土の財産として守り伝えられてきました。 現在の能代市は、平成18年3月21日に二ツ井町と合併して誕生しました。能代がはじめて文献に登場するのは『日本書紀』で、阿倍比羅夫が斉明4年(658年)に蝦夷征討するくだりに「渟城(ぬしろ)」として出てきます。江戸時代には治水工事で米の大幅な増収を図った梅(うめ)津(づ)政(まさ)景(かげ)や海岸砂防のため黒松の植林に尽力した賀藤(かとう)景林(かげしげ)らが活躍しました。明治に入ると木材産業が発達し、木都能代の名は全国に知れ渡ります。近年は、能代工業高校バスケットボール部の活躍が目覚ましく、平成18年には能代港がリサイクルポートに指定され物流ネットワークの拠点として期待されるなど「輝くみらいへ 水とみどりの環境のまち」づくりを目指して着実に前進しています。 能代第一中学校は、世界自然遺産白神山地を遠くに眺望し、名勝「風の松原」の一角を占める能代市の西部、日本海に沿って南北に砂丘が連なる地にあります。昭和22年能代市盤若町に開校し、昭和43年校是「覇気」を制定。新体育館の完成記念に、体育館正面に「覇気」の大額を掲げました。その後、火災で焼失したため現在の扁額は第26期生により寄贈されたものです。校是「覇気」制定当時の第6代校長谷内勝美氏は「将来いかなる人生の道を歩むにしてもその目的に向かって、自分で考え、積極的に実行しようとする意欲と、努力する姿をあらわしている。」とその心境を記しております。これはまさに、一中生の目指すべき姿と意気込みを示しており、受け継ぐ精神として現在に至っております。 本校の特色のひとつに、「学校都市」があります。創立当時から続いている生徒会組織で、能代市の行政機構を生徒会に採用し、生徒会長は本校において「市長」、副会長は「副市長」、生徒は「市民」と呼んでいます。学校都市憲法の下、自治精神の涵養に果たしてきた意義は大なるものがあります。数多くの歴史や幾多の人材を輩出してきた伝統に加えて現在は「一中若」の運行も注目され、今年は26回目を迎えることになります。保護者や地域の皆さんの熱い支援をいただきながら校是「覇気」の旗印の下、一中団結を目指す生徒の意気は高いものがあります。 本校は令和2年度からの3年間、「ICTを活用した授業改善支援事業」(県教委委嘱)の研究指定を受けて取り組んでいます。研究主題を「自立した学びの創造」とし、「秋田の探究型授業」を支える効果的なICTの活用について研究推進しています。最終年度の今年度は、生徒の自立的な学習をより意識して研究を進め、9月28日(木)に授業公開する予定です。 本校教育活動に対するご支援ご協力、よろしくお願いいたします。 |