学校都市とは・・・
私たち能代第一中学校では,学校を一つの小都市として考え,生徒会活動を学校都市活動と呼んでいます。生徒会長ではなく,市長がリーダーシップをとります。組織や役職についても,次の例のように都市にちなんだ名称を使用しています。例えば,生活委員会は生活課,生活委員長は生活課長,3年A組は3年A区,級長は区長,生徒は市民と呼んでいます。 昭和22年,新しい中学校制度のもとに本校が創立され,それにともなって発足した生徒会の組織「スクール・シティ」が,学校都市の始まりです。自治体の 組織機構を生徒会に採用するというユニークな試みは,他に例のない一中独特の制度でした。学校都市は、発足当初からしばらくの間は,内規の会則によって運 営されていました。昭和41年4月に,この会則が成文化され,学校都市憲法が成立しました。その後,昭和53年11月,昭和55年2月に,前文及び一部条項の改正が行われ,現在に至っています。
高く明るい自治精神
一般的な生徒会と能代一中の学校都市活動との根本的な違いは,校歌にも歌われているその高く明るい自治精神にあります。自治を成し得るためには,一人一人 の生徒が市民としての自覚をもち,周りから信頼されるような責任ある行動をしなければなりません。私たち能代一中生は,学習に励むかたわら、中学校生活を より充実した意義あるものにするために,自分たちの考えを自分たちの手で実行するとともに,さまざまな問題を自分たち自身の手で解決するように努めてきま した。今日,残念ながら必ずしも全生徒がこの自治精神を理解しているわけではありません。したがって,本校にも数々の今日的な課題も存在しています。しか し,執行部を中心として,自ら進んで問題解決に取り組もうという生徒も少なくありません。学校都市の自治精神は今でも受け継がれているのです。
学校都市組織図
各課の仕事内容
各課・市会 | 主な仕事内容 |
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市会 | ・区会活動や学校都市の中心として活動する。 |
集会課 | ・定期的な集会や市民集会などを計画・実施し、それらの整列指導を行う。 |
JRC課 | ・ボランティア活動の企画と実施にあたり、一中のJRC活動の中心として活動する。 ・アルミ缶・プルタブの回収や募金活動に協力し、積極的に福祉活動に参加する。 |
生活課 | ・規則や週目標を徹底させ、規律正しい生活を送れるようにする。また、あいさつ運動など、登校時の活動も行う。 ・自転車の点検や交通安全週間での交通指導など、市民に交通のマナーや命の大切さを呼びかける |
学芸課 | ・学習重点項目をもとに、よりよい学習習慣を呼びかけ、市民の学習意欲を促す。 |
購買課 | ・購買をひらき、市民が利用しやすい購買にするために努力する。 |
保健課 | ・健康観察や健康生活に関する調査・アンケートの実施、保健だよりの発行など市民の健康のために活動する。 |
体育課 | ・市民の体育活動を活発にするために、各種大会の企画と実施にあたる。また、体育館使用割り当ての計画を立てる。 |
視聴覚課 | ・放送室・教育機器の管理にあたり、報道や連絡など、放送全般にわたって活動する |
給食課 | ・セレクト給食の希望調査や後片付けの世話をし、スムーズな給食活動のために努力する。 |
環境課 | ・清潔で快適な学校生活を送れるよう、ゴミの世話や掲示物の管理、花壇の整美に努める。 |
図書課 | ・朝学読書や図書の貸し出しの世話・整理、「邂逅」の発行によって、読書意欲と図書室利用を活発にする。 |
学校都市憲法
(前文)
能代第一中学校学校都市は、昭和22年に新しい中学校制度のもとに本校が創立され、それにともなって発足した生徒会の組織である。私たち能代一中生は、学習に励むかたわら、中学校生活をより充実した意義あるものにするために、自分たちの考えを自分たちの手で実行し、あるいはまたさまざまな問題を自分たち自身で解決する自治活動の推進を望んできた。私たちは今これを実現させるために、学校をひとつの都市とし、学級を区としながら、ひとりひとりはその中で活動する市民となり、互いに協力し、自主性を発揮しながら、責任と規律を重んずる自治精神に根ざした学校都市を生み出した。
私たちは、この学校都市の活動を通して、将来社会人として市民生活を送る上に必要な基本的態度を身につけたいと願っている。私たちは、この全国にもまれな学校都市を私たちの誇りとし、その特質を真に生かしながら、全校市民が一丸となってこれを発展させることを誓い、ここに能代第一中学校学校都市憲法を制定する。
第1章 組織
第1条 能代第一中学校生徒会組織は、能代第一中学校都市といい、全校生徒を市民という。
第2条 学校都市は、学級を単位とする区を置く。
第3条 学校都市の議決機関を“市会”といい、執行機関を“執行部”という。市民生活の共通意識を高める機会として“全校市民大会”並びに“学年市民大会”をもつことができる。
第4条 学校都市は部と応援団を活動の一環として組織内に置く。
第2章 議決機関
第5条 市会は、学校都市の唯一の議決機関である。
第6条 市会議員は、各区から選出される。ただし、1、2年は正副区長が兼任し、3年は学級委員の中から選ばれる。(3年は執行部をのぞく)
第7条 市会議員の任期は一期間とする。ただし、重任をさまたげない。
第8条 市会議員が市会開会日に、つごうによって、欠席するときは、必ず代理人を出席させねばならない。
第9条 市会議員の発言は、その案件について討議した区会決定事項にもとづくが、市会での表決の際は自己の判断と意志によって行ってもよい。またその発言は市会外では責任をとわれない。
第10条 定例市会は原則として、1ヶ月に1回、市会議長が召集する。
第11条 市長から要求のあった時、または総市会議員の4分の1以上の要求があれば、市会議長は臨時市会の召集を決定しなければならない。
第12条
① 市会は総議員の2分の1以上の出席がなければ議事を開き、議決することはできない。
② 議事は、出席議員の過半数でこれを決定する。可否同数の際は議長が決する。
第13条 市会の会議は公開とする。傍聴希望者はあらかじめ議長に申し出る。
第14条 市会は市政に関する調査を行い、記録の提出を要求することができる。
第15条 執行部はいつでも市会に出席しなければならない。
第3章 執行機関
第16条 市政の執行権は執行部に属する。
第17条 執行部は首長である市長と助役と正副課長で組織する。
第18条 市長は、市民の中から、市民の直接選挙によって選ばれる。市長選挙に関する細則は別にこれを定める。
第19条 市長は助役と正副課長を任命する。
第20条 市長は執行部を代表して、市会および市民大会で一般行政、対外関係について報告するとともに、議案を市会に提出し、執行部各課を指揮監督する。
第21条 助役は市長を補佐し、市長に事故があった場合これを代行する。また応援団長を兼任してもよい。
第22条 執行部は次の仕事をする。
① 執行部会をひらく。
② 市会の決議事項を誠実に実行する。
③ 外部団体(JRC、姉妹校、募金団体、他の中学校)との関係を処理する。
④ 外部団体と“約束”を結んだ時は市会の承認を必要とする。
⑤ 予算を作成して市会に提出する。
⑥ よりよい市民生活を行っていくための働きかけを市民に対して行う。
第23条 執行部に設置する課は、市会の審議を経て市長が決定し、各課は正副課長のもとに市民生活向上のために活動を推進する。
第4章 財政
第24条 予算の施行は市会の決定に従わねばならない。
第25条 財源は、市民の納入会費(学校都市費)でまかなう。
第26条 予算作成の順序は次の通りである。
① 市長、助役と、学校都市担当者とが、予算作成の方針をつくる。
② 予算を必要とする各部門から、予算見積書を提出させる。
③ 執行部会を開き、予算原案を作成する。
④ 市会で討議し、予算を決定する。
第27条 予算の収支事務は学校に一任する。
第5章 区の自治
第28条 各区は、学校都市活動の基盤である。各区の運営は、区民の総意に基づいて行われ、自治的活動をする。
第29条 各区は次の役員をおくものとする。
イ)区長 ロ)副区長 ハ)委員 ニ)その他区会で定められた諸係。
役員選出に関する細則は別に定める。
第30条 正副区長の仕事は次の通りである。
① 各区において区会活動の中心になり、区に関する物事の処理にあたる。
② 1、2年の正副区長は市会議員として市会にのぞみ、また市会決定事項を区会に報告する。
第31条 各委員は、各課の委員として課の活動をすると共に、区においてもそれぞれ課の任務を遂行する。
第32条 区会は各区の議決機関であり区内の諸問題を解決し、処理するために開かれるものである。もし、学校都市全体で考えねばならぬ案件が出された場合は市会議員を通して市会に提出する。
第6章 部
第33条 学校都市は運動部、文化部をもつ。
第34条 市民は健全な精神と身体をつくるために全員が部にはいることを原則とする。ただし、市民による部の選択は自由である。
第35条 部の目的はあくまでも心身の錬磨、友愛の高揚、苦難克服等であるが、真の部活動の成果が具現すると勝利の道へ到達するものである。
第7章 応援団
第36条 学校都市は部活動に対する応援活動を行うものとして能代第一中学校応援団をもつ。
第37条 市民は、結団式の日より、全員、応援団員となる。
第38条 応援団員は、母校愛の発露として、積極的な応援活動をする義務がある。
第8章 JRC
第39条 学校都市市民はJRC(日本青少年赤十字)へ加盟するものとする。
第40条 JRC団員は、赤十字の目的を理解し郷土社会のため、国家と世界のために積極的な活動をする義務を持つものとする。
第41条 JRC団員は、ボランティア精神にのっとり、具体的な行動をもって奉仕しなければならない。
第42条 JRC活動の推進は、学校都市執行部がJRC委員会と連帯して行う。また団長は市長が副団長は助役が兼任するものとする。
第9章 補足
第43条 この学校都市憲法は、学校都市の発展のために必要ある時は市民の総意に基づいてこれを改正することができる。
学校都市は、発足当初からしばらくは内規の会則によって運営されてきたが、昭和41年4月成文化され学校都市憲法が成立した。
昭和53年11月、昭和55年2月前文及び一部条項の改正が行われた。
学校都市市長選挙規約
1 市長選挙の立候補者は2年生の男女とする。 |
2 市長を選挙できるのは学校都市市民全員である。ただし、選挙違反者には選挙権はない。 |
3 選挙は前年度中に行う。 |
4 「立会演説」並びに「政見発表」は1名につき5分以内で行う。 |
5 応援者は3名とし、2名は放送演説をする。いずれも5分以内とする。 |
6 執行部員、先生は選挙応援できない。 |
7 立候補者は直接立候補届出する。同時に責任者2名も届ける。 |
8 立会演説の時はタスキをかける。(各立候補者が作成する。) |
9 ポスター用紙は,選挙管理委員会で渡したもののみ許可する。 |
10 ポスターは作成後,選挙管理員会の検閲を受ける。「認印」のないポスターは、貼ることはできない。 |
11 ポスターは「校外」「正面玄関」「教室」「体育館」「便所内」「部室内」「特別教室」に貼ることはできない。 |
12 投票は体育館で行い、開票は定められた開票所で行う。 |
13 開票所へはいることのできる人は校長先生、教頭先生、学校都市指導の先生、各学年主任の先生、各候補者の責任者1名とする。 |
14 開票の結果、最高得点者が有効投票の1/4に満たない時は,上位2名で決選投票をする。 |
○ 選挙違反について 規約に反したり、立候補者に対して不利な行為をしたり、個別に頼んだり,買収をしたりした場合には選挙権、被選挙権を取り上げ、公開発表する。 |
学校都市市長選挙日程 |
1 告示 月 日 |
1 立候補届出受付 月 日 |
1 立候補届出締切 月 日 |
1 放送応援演説開始 月 日 |
1 政見発表会並びに質問会 月 日 |
1 立会演説会 月 日 |
1 選挙日 月 日 |
※ 学校都市選挙管理委員会事務局は市庁室に置く。 |
歴代学校都市市長
期 | 市長名前 | 年度 | 期 | 市長名前 | 年度 | 期 | 市長名前 | 年度 | |||||||
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1 | 長谷川久也 | 昭和22年 | 35 | 佐藤 敬 | 昭和56年 | 69 | 藤嶋 亮介 | 平成27年 | |||||||
2 | 高砂 純治 | 昭和23年 | 36 | 塚本 健 | 昭和57年 | 70 | 近藤 瞭太 | 平成28年 | |||||||
3 | 宮腰 洋逸 | 昭和24年 | 37 | 大山 公司 | 昭和58年 | 71 | 芳賀 研心 | 平成29年 | |||||||
4 | 大高 顕 | 昭和25年 | 38 | 多田 誠 | 昭和59年 | 72 | 武田萌百花 | 平成30年 | |||||||
5 | 那須 秋男 | 昭和26年 | 39 | 渡辺 正人 | 昭和60年 | ||||||||||
6 | 古内 慧 | 昭和27年 | 40 | 三浦 潤 | 昭和61年 | ||||||||||
7 | 児玉 淳 | 昭和28年 | 41 | 大和 雄一 | 昭和62年 | ||||||||||
8 | 平川 幸雄 | 昭和29年 | 42 | 長門 亮 | 昭和63年 | ||||||||||
9 | 佐藤 晋介 | 昭和30年 | 43 | 森 将人 | 平成 元年 | ||||||||||
10 | 大坂 勉 | 昭和31年 | 44 | 沼田 誠 | 平成 2年 | ||||||||||
11 | 柳谷 渉 | 昭和32年 | 45 | 袴田 博文 | 平成 3年 | ||||||||||
12 | 藤田 益男 | 昭和33年 | 46 | 袴田 達典 | 平成 4年 | ||||||||||
13 | 安岡 恒夫 | 昭和34年 | 47 | 近藤慎一郎 | 平成 5年 | ||||||||||
14 | 石井 靖道 | 昭和35年 | 48 | 小笠原州平 | 平成 6年 | ||||||||||
15 | 川添 能雄 | 昭和36年 | 49 | 伊藤 塁 | 平成 7年 | ||||||||||
16 | 今立 孜 | 昭和37年 | 50 | 佐々木千穂 | 平成 8年 | ||||||||||
17 | 金谷 樹徳 | 昭和38年 | 51 | 金谷 洋平 | 平成 9年 | ||||||||||
18 | 京 三津雄 | 昭和39年 | 52 | 岸部 伸介 | 平成10年 | ||||||||||
19 | 諸沢 隆一 | 昭和40年 | 53 | 近藤 雄介 | 平成11年 | ||||||||||
20 | 藤島 祐造 | 昭和41年 | 54 | 田中 基成 | 平成12年 | ||||||||||
21 | 長岡 英樹 | 昭和42年 | 55 | 小松 佳徳 | 平成13年 | ||||||||||
22 | 相沢 良宏 | 昭和43年 | 56 | 宮腰 菜月 | 平成14年 | ||||||||||
23 | 石戸 悌一 | 昭和44年 | 57 | 平川 和 | 平成15年 | ||||||||||
24 | 武石 悦子 | 昭和45年 | 58 | 齊藤 大輝 | 平成16年 | ||||||||||
25 | 相沢 正和 | 昭和46年 | 59 | 佐藤 聡介 | 平成17年 | ||||||||||
26 | 藤田 成康 | 昭和47年 | 60 | 日諸 伊孝 | 平成18年 | ||||||||||
27 | 藤井 昌彦 | 昭和48年 | 61 | 加賀 能子 | 平成19年 | ||||||||||
28 | 小川 浩司 | 昭和49年 | 62 | 大山 諒 | 平成20年 | ||||||||||
29 | 石井 康宏 | 昭和50年 | 63 | 下妻 覚 | 平成21年 | ||||||||||
30 | 佐藤 智和 | 昭和51年 | 64 | 島田 健吾 | 平成22年 | ||||||||||
31 | 塚本 敦 | 昭和52年 | 65 | 藤嶋 啓介 | 平成23年 | ||||||||||
32 | 伊藤 稔 | 昭和53年 | 66 | 島田 久弥 | 平成24年 | ||||||||||
33 | 吉田 順 | 昭和54年 | 67 | 吉岡 輝紀 | 平成25年 | ||||||||||
34 | 平川 昇 | 昭和55年 | 68 | 平川 駿 | 平成26年 |